てつむぎ+

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テディベア

うちの夫は、たいてい寝にくそうに寝てる。
何故かというと、ふとんの先から足先がはみ出しそうに寝ているから。
約200センチ長さのふとんに、身長180センチ弱の夫。
通常なら十分なスペースを確保できるはずなのだが、うちの夫の場合、枕の上方にテディベアを置いていて、そのクマの脚が20センチほどのスペースを取っているからだ。


テディベアを最初に見つけたのは、約3年前。
最初は申し訳程度の小柄なクマを入手し、嬉しそうに眺めていた。
だんだんと大きなものにも手を出すようになり、今持っている一番大きなサイズは座った状態で40〜50センチ。


そのクマを筆頭に、お気に入りのおおきめベア3体を、つねに枕元に座らせている。
夫曰く「三クマ体制」だとか。


まあ、クマを大事に思っているのは良くわかる。かといって寝心地が犠牲になるのはどうか・・・と思い、枕元から、彼のからだの右側にある空きスペースに3クマ達を誘導してみた。
だめだった。くまたちは数日後には元の枕上方位置に鎮座していた。


ここまで寝心地を犠牲にしてまで、彼がクマを大事にする。
昔の都は周囲を四神とかいうもので護っていたというし、神社の狛犬なんかも、そうなのかもしれないけれど。
夫にとって3クマたちは、彼をガードする存在たちなのだろう。
本人は「クマたちを自分が守っている」と言っているが。


わたしだったら、お気に入りの人形は1体で良いかな・・・という気がするけれど、
彼を見ていて感じるのは、3体のクマたちは、恐らく「もしも」の際に備えるスペア態勢の表れのようだ。
子どものころから、大事に思っていたものを喪失する体験を何度か繰り返しているようで、
彼にとって「何かを大事に思うこと」=「それらを将来失ってしまうかもしれない不安の始まり」なのだ。


クマの数や種類に関しては、夫が心ゆくまで協力しようとしてきたが、
3クマ体制ができたところで、とりあえずの安定を得られたようだ。


最近、夫に言い聞かせているのは、
「もしあなたがしばらくクマと離れてしまうような事態が起きたとしても、
あなたにクマを届けたいと思う人がいるのだから、悲観するでない。」と。